百科事典 革の種類はいくつある?


Q)一口に革といっても様々な種類がありますよね、カーフ、キップ、 ステアなめし方の種類にオイルドレザー、ガラス(リーガルなどによくあります)、ソフトガラスfull glain oil-tanned、black cowhide、 (この2点はレッドウィングなどによくあります) これらはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか? またどれが上質である、とかいった順番はあるのでしょうか? (具体的にはRedWingの革はどの程度の質なのか?、REGALなどと比べてどうなのか?といったことが気になります。)


A )色々な種類があるのは、生地にも〃絹〃や〃麻〃そして〃木綿〃があるように、それぞれに特長があります。

まず、原材料による種類があります。①
次に、それを鞣す際にその方法に、違いがあります。②
さらに加工方法と仕上げ(色付け)方法で種類が分れます。③-1/2

① 原材料は、牛、馬、羊、豚、爬虫類、カンガルー、等です。 さらにその成育度によって呼び名が変ります。
  牛の場合: 仔牛(高価)←→ 成牛
  カーフ、キップ、カウハイド、ステアハイド、ブルハイドとなります。

 ・カーフ:生後6ヵ月位の仔牛の革。多くは雄の乳牛。
  繊維構造が細かく柔らかい。高価。ドレスシューズ向き。
革1.jpg
 ・キップ:生後6ヵ月~2年位までの革。
  カーフの次にきめ細やか。おっしゃられている代表的なガラス加工のリーガルは、これです。

 ・カウハイド:生後2年以上経った雌の成牛の革。
  丈夫で厚くステアハイドより柔らかい。レッドウイングは、これですね。

 ・ステアハイド:生後3ヵ月~6ヵ月の間に去勢され、2年以上たった22kg以上の成牛の革。
  
 ・ブルハイド:生後3ヵ月以上たった繁殖用の去勢されていない雄の成牛の革。
  きめは粗く厚いが耐久性には優れる。ソールに用いられる。


② 鞣し方には、大きく2通りあります。

  ・クローム鞣し:鉱物の硫酸クローム塩を用いて、腐食や乾燥を防ぎ、長 期の使用に耐えられるようにする。

  ・タンニン鞣し:植物や果実に含まれるタンニン(渋、ミモザチェスナット等の植物のエキス)を革のコラーゲン蛋白質と結合させる。

  ・混合鞣し: 何にも折衷というのがございまして、その両方を併用した「混合鞣し」というのもございます。


③-1 加工方法は、
  ・スムース・ナッパ(表革)
  ・スウェード(牛革、羊革、山羊(ヤギ)革の床面(裏面)を起毛)
  ・ヌバック(牛革の銀面(表面)を起毛)
  ・ベロア(成牛革の床面(裏面)を起毛)
  ・シュリンク
  ・型押し

③-2 色付け方は、

  ・顔料:水や油に溶けることがないのでペンキのように革の表面に塗られ る(ガラス等)。光沢があるが、通気性に乏しい。

  ・染料:水などに溶けるので繊維に染み込み染まる(アニリン等)。通気性はあるが、シミにもなりやすい。

  ・さらにこれにオイルをたっぷり含ませたのがオイルドレザー。
オイルドレザー.jpg


リーガルは、キップのクローム鞣しガラス仕上げ。
レッドウイングは、カウハイドのタンニン鞣し染料・オイルドレザー。
どちらが、どうというのではなく、やはり適材適所といったところでしょうか・・・。

 

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