百科事典 雨に濡れて乾いたら、つま先がふやけたようにブツブツが・・・。

Q) こんにちわ、初めてお便りします。
気に入った靴を大事に履いています。20年ものの靴が何足もあります。足になじんだ靴は捨てがたいのです。
そのうちの一足が雨に濡れ、特に革のそこが磨り減って割れていたため靴全体に水がしみこんでしまいました。 その結果気がついたら、表皮部分にボツボツ小豆サイズのふやけて盛り上がった部分ができてしまいました。 靴墨を刷り込んで、なんとかごまかして履いていますが元通りにする方法があれば是非お教えください。
A) おそらくその症状は”ウォータースポット”と業界では呼ばれている症状だと思います。
原因は大きく二つ
・仕上げ剤と原皮との間に水分が入り込む
・下地の革をなめす際、植物タンニンや界面活性剤を使いすぎて、水の浸透で革が膨張塗膜を浮き上がらせる。
意外と簡単に直せて、もう一度たっぷり濡らせるのです。
まず靴の表面に塗られたワックス分をステインリムーバーで取り除いて、スッピンにして水分が染み込みやすい状態にします。
次に濡れたタオルやキッチンペーパーをつま先部分に被せて一晩くらい置いておきます。
その際に革に中にあった不純物ごと排出して、革が元の姿に戻るわけです。
色の薄い靴の場合は部分的に濡らすと染みのようになる可能性があるので全体に均一に巻いた方が良いです。
次の日には濡らした物から水分を休止した革が、逆にペーパー側に水分を吸い取られる形で乾燥していきます。
翌朝、靴からはがしたキッチンペーパーです。カラッと乾いてギブスを外すような感じで剥がします。
うっすらとペーパー側に不純物の後が見えます。

ウォータースポットができた状態で、時間が経ってしまうと何でもそうですが元に戻りにくくなりますので、数日中の対応が望ましいです。
あとは普通に乳化性のクリームを塗って、油分の補給と共に新たにワックスがけを。
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