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Q) 靴底の交換回数についてお尋ねしたいです。
オールソールは2回までヒールは任意回まで可能と聞いたことがあります。
実際のところどうなのでしょうか。 貴店の見解をおしえてください。



A) まずヒール(かかとの設置目㎜の素材・トップリフト)に関しては、ソールの耐久性を考えると、3回すればソールの方が摩耗してオールソール交換が必要になると思いますので、その回数であればまず問題ないでしょう。


ソールの張替え回数には、その靴の製法が大きくかかわります。
代表的な製法、セメント製法、グッドイヤー(GY)ウエルト製法、マッケイ製法に関して比較してみます。

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セメント
(セメンテッド) 甲部と底を接着剤のみで貼り付ける。コストは抑えられるが、排湿性は劣り、足にもなじみにくい。


マッケイ
 セメント製法と同じ構造で、接着ではなくソールと靴本体が縫い付けることにより取り付けられている。
 アッパーの端が内側に折り込まれ直接ソールに縫い付けられている。グッドイヤー製法よりはコバの部分がスマートでかつ 軽量で反りは良いが、耐水性、耐久性では劣る。イタリアの靴に多く見られる製法。


グッドイヤーウェルト
 ウエルトという靴の周りに巻いた革をアッパーと中底をすくい縫いで取り付け、 さらにウエルトとソールをアウトステッチで縫い付けられている。
 ノルベゲーゼ製法の発展型でアッパーよりコバが張り出している。マッケイ製法より耐水性に富み長時間履いても疲れにくいが若干重い。


底を張り替えるということは、元々装着されていたソールを取り外す作業を間逃れないのですが、その際の負担と、次に装着する際の負担(縫い付ける)、が考えられます。

セメントは、ソールが接着でアッパーないしソールに張り付けてあるし、張り付ける際にその接着効果を高めるために、バフ(表面を削ってザラザラにする)をかけます。ですから取り外す際、 張り付ける際に大きな負担があります。

マッケイはセメントほどではないですが、仮留めに接着を施しますし、中底に直接縫い付けますので、極端な言い方をしますと靴本体に穴を開けているということになります。ですから取り付ける際に再び中底に穴を開けるこいうことになります。
なるべく近いところに縫い付けますが、まったく同じ穴に糸を通すのは不可能なので、その部分が前回の縫いの穴以外に穴をあけることにより、構造的に弱くなる。

GYウエルトは、ウエルトという縫い代にあたる部品を掬い(すくい)縫いによって靴に装着して、それにソールをアウトステッチによって(外から見える)縫い付ける構造ですので、 取り外してウエルト部分の糸を抜き去れば、元の穴に縫い付けることがほぼ可能です。 ですから縫い付けることによる劣化は最小限ですし、外す際もウエルト以外にはほぼ負担がありません。

従いまして、その構造から負担の大きい順にざっと次のようになります。

ソールを取り外す際の負担は
セメント→マッケイ→GYウエルト

装着の際の負担は、
マッケイ→セメント→GYウエルト

張替えの回数に関しては、履き方、修理の仕方に大きく左右されるので、一概には言えませんが
GYウエルト 4回~(費用は掛かりますがウエルトも交換することができるので、そうすれば更に張替え可能です)
マッケイ 2回~
セメント 1回~
を目安としていただいたらよいでしょう。



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